通勤電車で読んだ『ワイルドサイドをほっつき歩け ハマータウンのおっさんたち』。おもろうてやがてかなしき野郎どもの現在。

サブタイトルが「ハマータウンのおっさんたち」ということで、ウィリス『ハマータウンの野郎ども』世代のイギリスの労働者階級のおっさんたちの現在を、おもろうてやがてかなしき筆致で描くエッセイ。著者のひとは、わたくしと同世代の女性で、イギリスで結婚したお相手がちょうど『ハマータウンの野郎ども』世代の労働者階級の男性で、なのでその友だちとかご近所とか知り合いとかがようするにイギリスの労働者階級のひとびとであると。でまぁそういうながねんの友だちや知り合いたちとのあれこれをきっかけに、地べたから見たイギリス社会の現在を描くよという趣向。でまぁおもしろかったし、なるほどなあとなったし、勉強になったわけである(描かれてるのがちょうどブレグジットのころで、そして単行本が出て間もなく世界がコロナ禍に見舞われ、そして文庫化されたのは昨年、というわけで、文庫版あとがきはかなりきつめの現在を思わせる書き方をしているのでちょっと気をもんじゃうわけである)。