『デザインド・リアリティ』。涙なしの状況論だという。

デザインド・リアリティ―半径300メートルの文化心理学

デザインド・リアリティ―半径300メートルの文化心理学

注文していたのが届いたので、授業の空きコマと通勤電車と、あとは寝る前に読んだ。
某紹介ページでは著者の方々がちょけたコメントを書きまくっておられたので、よほどの本なのかと思ったけれど、すんなり読めた。涙なしの状況論だということで。
じぶんてきには、主体性が皮膚の外側にある話というのは状況論というのの出発点と思っていて、それをインターフェース工学とかビジネスコンサルとかべったべたの商売に結びつくふりをしているところがおもしろいと思っている。なので、この本、オチがスピノザってのがちといきなり高尚になっちゃってる気がした。
あと、この本ってより状況論というのが出発点が心理学のようで、そっから皮膚の外へ、というふうにがんばっているのだけれど、こちらとしては社会学から入っているので、ふつうに読んでて「え?それふつうの社会学とあんましかわんないじゃん」みたいな印象をうけるところも。
でもそれもふくめ、すんなり読めて内容がちゃんとした状況論だったってのはすごいという気もする。読了したら気づかぬうちに主体性が皮膚の外にあった、みたいな。