てっきりスポーツ雑誌か何かの連載エッセイかと思っていたのだけれど、読んでみたら書き下ろしってことだった。なので、「書き散らし」感はなくて、自分の人生を振り返ったりしながらまるまる一冊、走ることについて語っている。ま、人生説教である。主語が「僕」なので気づきにくいけれど、著者はこの本の時点で還暦近くのおじさんなので、老化による身体の衰えを感じつつ、しかしレースに向けてこつこつと何ヶ月もかけて走り込みをして準備をしていったりする。そういうことをしながらなので、おのずと人生説教の調子もあがるというものである。