『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』読んだ。

「おたく」の精神史―一九八〇年代論 (朝日文庫 お 49-3)

「おたく」の精神史―一九八〇年代論 (朝日文庫 お 49-3)

連日の出張ということで、本棚に並んだままだった大塚本を読むシリーズそのに。これは往復の電車でかなり読めて、帰宅してから残りを読んで読了。
これもおもしろくて勉強になったけれどそれよりか世代的にイテテテテってかんじの本ではあった。べつに「おたく」についての本でもないし「精神史」でもないとは思う。「おたく」の「精神」なんて気味悪くてわざわざ覗き込みたくないですね。そうでなくて、1980年代論、および、80年代に開かれた問題が解決されないままでいたことで90年代や00年代に何が起こっていたか、みたいなこと。それを、80年代にエロ雑誌編集者やロリコン雑誌編集者、ライター、バブル期のシンクタンク研究員?、おたく評論家、マンガ原作者、宮崎勤の擁護者、等々、として渦中にいてしまった著者の、まぁ回顧録みたいなかんじで年代を追って、その場にいた当事者ならではということも含めた切れ味で分析して描き出している。