風呂で読む『長い終わりが始まる』。

長い終わりが始まる (講談社文庫)

長い終わりが始まる (講談社文庫)

曇って強風だしへんな粉が飛んでいるしで、外に出る気もおこらないので昼風呂。長風呂をするためにブックオフで買っておいた文庫本だったが、あっさり読めた。まぁよかった。ナオコーラに外れナシ的な意味で。
最初の数ページに、妙な校正間違いのようなものがいくつかあったのは、ひょっとしたら文庫版の加筆部分の校正が手抜きだったためかもしれない。それはともかく、おはなしとしては、マンドリンのサークルの部員で、ちょっとむつかしいかんじの女子が主人公で、大学4回生の4月から雪が降るまでのおはなし。大学は渋谷にあるとか言いつつ、おはなしはほとんどサークルの中(と男子の自宅と女子の下宿)で完結するのでまぁ全国の大学でなりたちそうな物語だろうと思う。うちの学生諸君がこんなふうなのかどうかは関知しないけれど。「長い終わりが始まる」、っていうフレーズそのものはまぁ、意外とありがちだし使うと便利なのだけれど、それをタイトルにして、しかもお話の中盤で「『長い終わりが始まる』って、小説のタイトルにしたいくらいだね」などという台詞を言わせたりして、そして終わるとか終わらないとかいうことを地の文の中でも主題にしてみせるので、あーこれはそういうお話なんやな、と見当をつけさせることになって、そのままあとは一直線におしまいまでいって、おしまい、というお話。あと文庫には解説がついていて、それはなんだか、これそういう話だっけ?みたいなかんじです。