「学校の授業にAI技術を 授業の質高める取り組みが相次ぎ登場」というNHKの報道がしれっとしていてすごい。

www3.nhk.or.jp
学生さんが授業の課題で拾ってきたニュース。

学校の授業にAI技術を 授業の質高める取り組みが相次ぎ登場
2023年6月5日 6時44分
 
学校での授業にAI=人工知能の技術を取り入れ、生徒の理解度などを高める新たな取り組みが相次ぎ登場しています。
コニカミノルタが先月から導入したのは、授業の様子を撮影した映像からAIが生徒の反応を分析する技術です。
生徒の視線の向きや挙手の様子などから授業への集中の度合いなどをデータ化し、改善につなげることが狙いです。
DX開発推進センターの石黒広信 グループリーダーは「子どもたちの特長や個性に合わせた学習がよりしやすくなる」と話していました。
また、IT企業のテクノホライゾンは、授業で使うタブレット端末の内側のカメラと連動してAIが生徒の感情を分析する技術を開発しました。
額の脈波と頭の動きから「わくわく」や「たいくつ」など4つに分類し、関心を示したり、ストレスを感じたりといった生徒の状態を把握します。
また、数か月単位の分析から特定の生徒の急な変化を捉え、いじめなどの兆しを見つけることも目的で、今年度中の実用化を目指しています。
事業を担当する野阪公司さんは「同じ授業でも生徒の受け止め方は多様で、一人ひとりに最適な学びを提供したい」と話しています。
それぞれの会社では、事前に生徒や保護者の承諾を得ることを前提としていますが、授業の質を高めるために、導入を進めたいとしています。

なかなかすごいなーと思ったしだい。
www.sankei.com
research.konicaminolta.com
edu.watch.impress.co.jp
で、文部科学省の「令和4年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業」の「成果報告」で、
テクノホライゾンの報告も、あとコニカミノルタのは箕面市の報告として資料が上がっている。
www.mext.go.jp
なので、文部科学省が推すエドテックの方向性はこれ、ということでもある。
そうかー。

10年前に、公開講座で「自分史/自分誌」にかこつけて、ライフログの話なんかしてたんだが、
www.tenri-u.ac.jp
そのときは、

データとしての人生
 いま、ライフログが普及しているのは、蓄積したログをふりかえり(分析して)活用することで、生活をよりうまくやっていくことができるためです。たとえば、蓄積したログを分析して自分の日常の行動パターンを抽出すれば、自分の行動のクセやムダを「見える化」したりできますし、それをカイゼンすることでより合理的なやり方で生活をうまくやっていくことができるかもしれません。
 もちろん、そんなことをわざわざしなくてもいい、したくない、という人もいるかもしれません。しかし、実は「ライフログ」には、もう一つの意味があります。つまり「自分で書くライフログ」ではない、「自動的に記録されるライフログ」です。じつは現代社会でより研究が進み実用化も進んでいるのは、後者のほうです。つまり私たちはすでに、日常生活を送る中で自動的に自分の行動記録を収集され蓄積されている、というわけです(ネット通販の「購入履歴」などはわかりやすい例ですね)。そこで収集された膨大なログデータ - 「ビッグデータ」という言葉を耳にするようになりました - を、いかに分析して何を取り出すかという研究が、国を挙げて行われている、そういう「ライフログ」の時代に、実は私たちはすでに生きているということになります。

とかなんとかいって、そして、「小学生のランドセルにタグをつけて校門通過を検知して、仲良しグループやいじめを割り出す研究」という話題( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20061008/p4 )なんかを紹介して、それでその当時は、聞きに来ていた人もアハハと笑っていたわけです。
ところが10年たつと、まぁこうなるわけで、NHKなんかがビジネスニュース枠でしれっと報道するわけである。