通勤電車で読む『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』。おもしろくドンキを見る著者の目があるだけなのか。

れいによってTwitterで流れてた記事を読んでて、ちょっとおもしろかったので、
toyokeizai.net
その記事の筆者の人の本を読んでみた。
で、ドンキという店にはほぼ行ったことがないので一般的なイメージしかもってない。しかしまぁそれで本書を読むときに困るかというとさほどでもない。タイトルのドンキになぜペンギンがいるのか、という問いに対する答えは、レヴィ=ストロースが環太平洋地域全般に見られる建築装飾「砂時計型形象」に似てるよね、それは中沢新一によれば「出産」を意味したり「メビウスの輪」にも似ているので内側と外側の「ねじれ」を意味したりするよね、だからドンキのペンギンは「内と外を混然一体とさせる」ことの象徴だよね、という筋書きで、まぁねえというかんじではある。著者の人は早稲田の宮沢章夫ゼミの出身だそうで、「おもしろい街はない、おもしろく街を見る目があるだけだ」と繰り返し教わったのだそうで、なるほど本書は、けっきょくのところドンキという店がそれじたいでおもしろいのかどうかよりは、こんなふうにすればそれをおもしろく見れますよという著者の人の見方が前に出ているようにも見えなくもない。それは著者の人としてはどうなのかと思われなくもない。