自分むけにCOVID-19関連について現時点でどう考えることにするかをまとめておく。(その31:4/5-)

さて、年度も変わったのでページを変えた。現状は、NHKのページでみると本日発表のデータがこんなかんじ。
おおよそ11月末ぐらいからはじまった「第10波」がおおよそ2月半ばぐらいにピークを迎えて3月末にかけて終息しつつあるよ、ぐらいのゆかげんかしら。
新型コロナウイルス 都道府県別の感染者数・感染者マップ・「定点把握」の感染状況データ|NHK特設サイト

グラフの感じだけ見れば、もう少し下がってくれることを期待するけれど、しかし下げ止まりの「底」の高さを見ると、流行の波を重ねるごとにだんだん底が高くなってるように見えるのもたしか。ちなみに新年度がはじまって学生さんがまた大学に来るようになったけれど、コロナになって欠席の者はやはりいるね。インフルもいるしなんかわからんけど高熱というのもいる。まぁ、人口あたりの感染者数から雑に計算したら、身の回りにふつうに感染者がいるというのはふしぎではない。ざっと人口10万人当たり100人のオーダーだと、1000人に1人ということになるから、学生さんが3000人いたら3人ということになる。それでそもそも現在の捕捉率をどのぐらいに見積もるかとして、仮に1割だけ捕捉してる(9割を見逃してる)とすればその数字を10倍することになるし、まぁそれよりは捕捉してるだろうと考えればそこまでの倍率は考えないで良いとする。でまぁもちろんインフルというのがあり、また先月の話題でいえば麻疹はどうなんだ(これもNHKのサイトで見れる、基本的に全国で数人というレベルなのでさしあたり過度にびびる必要はなしとする)など、いやしかし21世紀というのがこれだけ感染症の心配が生活に影響を与える時代になるとは昔は思わなかったですな。

4/7.
れいによって札幌医科大の研究室サイトから現時点の数字を。
【都道府県別】人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推定値
全国平均は160.0。奈良は273.8人で全国3位。兵庫は260.0人。東京157.5人。大阪117.0人。京都146.3人。ちなみに鳥取は214.7人。島根は115.6人。

通勤電車で読む『宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ』『宇宙怪人しまりす医療統計を学ぶ 検定の巻』『宇宙怪人しまりす統計よりも重要なことを学ぶ』。

れいによってTwitterで見かけて読んでみた。宇宙の征服をもくろむりすりす星の宇宙怪人しまりすが、地球の医療統計の先生に統計を学ぶ、という対話篇形式の本。基本的には統計入門で、むずかしい数式を出さないよというタイプのやつ。地球のかぜぐすりヨクナールが効くかどうか調べる、みたいな例をつかいながら、平たく説明している。3巻目では、「統計的に有意」とは、みたいなはなしが出てくる。「ASA声明」(https://www.biometrics.gr.jp/news/all/ASA.pdf)とか。www.jstage.jst.go.jp
それはそれとして、
この本のいいところはしまりすのイラストだと思うのだけれど、なぜかある章の扉絵で、プリンス仕様のギターを弾いているカットが入っている。
それはそれとして、このシリーズが好評に付き、中外製薬YouTubeチャンネルで動画になっているようだ。全6回。
www.youtube.com

近所の久々に行った書店で買った『もう一杯だけ飲んで帰ろう。』。

三月某日、さる用件のため出かける。近所だったけれど雨だったので電車で。それでちょうどその少し前に、Google地図で近所の本屋さんをあらためて探していたのは、散歩のたびにいろいろな店が閉店になっているのを見つけては悲しくなってしまうからで、それでいまけっきょく近所はどうなっているのかと。それでGoogle地図だと書店じゃない店が書店で登録されたりしてるようなものあり、けっきょく様子がわからなかったのだけれど、なんとなく近くの駅に書店を発見した。そこで、そんなところに新しくエキナカ書店でもできたのかしらと思っていたのだけれど、さてそういうわけで雨の日に電車で出かけてちょうどその駅で降りることになったので、そうそう、書店を偵察してみるべし、ついでにそこのパン屋さんでおいしいサンドイッチを買って帰るべし、と算段する。で、駅に降り立って構内を歩いたら、驚くべきことに書店はあり、驚くべきことにそれはずっとずっと昔からそこにあって昔はよく立ち寄っていた本屋さんなのだった。いまの下宿に越してきてから足が遠のいていた(たぶん5年前に買った『バカロレア幸福論』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2019/08/27/201546)をこの店で買ったような覚えがある)とはいえ、すっかり忘れていたことにちょっと驚いたものである。それで久々に店に入って、ちょっと懐かしく棚を眺めて、探していた本はなく、しかし久しぶりの店なのでちょっと何か買おうかしらと、文庫の棚の、食べ物エッセイが並んでいる中から一冊をレジに持って行った。それで店を出るときに自動扉に閉店のお知らせの紙が貼ってあって固まってしまったわけである。
小説家の角田光代とその夫の河野ってひと(ミュージシャンらしい)が、飲み屋さんに行って、それで同じ店のことをそれぞれが短いエッセイにする、という雑誌の連載かなにかを本にしたもの。楽しく飲んで食べて、そして夫婦でおんなじようなかんじでおんなじようなことを書いているので、まぁそういうのが楽しそうだなあと思うわけである。連載はコロナ禍前のことで、だからときどきエッセイの末尾に店の動静(閉店したとか移転したとか)が小さな字で書いてあると、たいへんだったのかなと思うこともある。しかしやはり東京というところにはたくさんの店があって、行きつけの店をつくったり新しい店をみつけたりで毎日楽しく幸せに暮らしていくことがあたりまえにできるところなのだなあという感想も持ったわけである。

通勤電車で読んだ『同調行動のエスノメソドロジー』。

ビジネスコミュニケーションの場面において、日本人と中国人ではコミュニケーションのとくに「同調行動」のやりかたが違うのではないか、それがときに問題になることもあるのではないか、ということで、じっさいの場面の録画や実験的に設定された場面の録画をELANというソフトで分析して、いろいろなアクションの回数や秒数を表にしたりしながら、違いをあきらかにしている。
こういうスタイルの研究はあるなぁと思いつつ、西阪仰 (1997)『相互行為分析という視点―文化と心の社会学的記述』の、第2章「「日本人である」ことをすること:異文化性の相互行為的達成」だっけな、を思い浮かべつつ。

通勤電車で読んでた『本を売る技術』。たんに本好きというより本屋さんというシステムへの職業意識がすばらしいタイプの本好き。クール。

このまえ立ち寄ったかんじのいい本屋さん(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2024/03/18/212541)で買ったもう一冊。れいによってTwitterで見かけて面白そうだと思っていた本が売られていたので買ったわけである。本屋さん本というのは好きで特に一時期ちょいちょい買っていたけれど、ひさびさではある。著者の人は1980年に東京の芳林堂書店池袋本店ってとこから書店員人生をスタート、そこからパルコブックセンター新所沢店、吉祥寺店、渋谷店、そして合併統合によりリブロ池袋本店に異動、2015年閉店まで勤務、36年間売り場で本を売り続けた人、なのだそうだ。で、この本、正確にはインタビューというか聞き書きの形で書いてあるので、まぁ読みやすいし、タイトルそのままに技術論を語っているので、たぶんある種の書店員の人が読んだらとても勉強になるだろうな、という本で、しかし面白いので書店員じゃなくても面白く読める。
本の内容的には紹介記事↓があるわけだが
business.nikkei.com
www.tokyo-np.co.jp
読みながらなんとなく思っていていま著者の人の経歴を書き写しながら改めて思ったのは、「リブロ」っつったらTitleって本屋さんがもとリブロだとか(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20170520/p1)、『書店風雲録』『書店繁盛記』のひとがもとリブロだとか(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20160630/p1 https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20160703/p1)、そうすると、イメージとしては「80年代ニューアカ」を仕掛けた「文脈棚」の本屋さん、みたいなのを思い出したり、あるいは他方では『書店繁盛記』で描かれたような、アマゾンの攻勢は激しい、取次がこちらの欲しい本を寄越さない、みたいなのを思い出したりしながら、うーむ、そういうのとイメージ違うんだよなあというのがこの本の印象。ひとつには、自分の好きな本への思い入れ、みたいなものに動かされてなくて、売れる本をきちんと売れる場所に置き、棚や棚下や平台に理にかなったやり方で本を並べ小まめに並べ直し、売れない本をきちんと見極めて返本し、お客さんにとって常に新鮮な本が並んでいるようにする、というのをきちんとやっていくことでよい本屋さんができる、という。たんに本好きというより本屋さんというシステムへの職業意識がすばらしいタイプの本好き、という印象。そうすると、なにか自分の考えやらセンスやらで棚を作って仕掛ける、とか、情熱を込めたPOPでその本の良さを客に伝える、みたいなのはあまりやらないと。むしろそういうのは、書店員の人自身が「棚に癒される」「POPに癒される」ほうが主じゃないかと(POPが立ってると後ろの本が見えなくなるからよくないとか)。そのへんはまぁしょうじき共感するところはあって、本屋さんが自分のセンスで棚を作りました!!みたいなのは、まぁとくに自ジャンル解釈違いみたいだったりするとけっこうイラっとしたりすることもままあるわけで、それよりは、いつ行ってもどこか新しい発見のある、回転のいい本屋さんのほうが好感が持てるってのはあるよなあと。あと、しかし、これも前に読んだような「アマゾンの攻勢は激しい、取次がこちらの欲しい本を寄越さない」状況というのがあんまり表立って語られてないわけで、そのあたりは気持ちよく読めるのだけれど、でもちょっとほんとかなあという気もしてくるし、いちどに何百冊入荷、平台に多面展開するには、みたいな話は今の全国の本屋さんの中ではごくごく限られた、東京とかの大規模店の勝ち組の方法論なのかもなあという気もしてくる。

途中下車して本屋さんで買って読んだ『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』。

tohon.shop-pro.jp
通勤電車に乗っていたら電話がかかってきて、ちょうど駅だったのでぱっと降りて電話に出た。それで案件がとてもいいぐあいに解決してよかったし、アポの時刻も夕方になって、そしてふと気が付くと、その駅はこのまえ少し散歩していい感じの本屋さんがあったところだったのだ。ちょうど探してる本があって、それでそのまま改札を出て、駅前の本屋さんを物色して、それからまた少し歩いていい感じの本屋さんに入って、まぁ探してた本はなかったのだけれどなんとなく気になってた本があったので2冊ばかり購入。でまた駅前の本屋さんに戻って1冊買って、それでまた電車に乗って出勤、アポの時間まで読んだりしてた。
ところでこの『ここで唐揚げ弁当を食べないでください』という本をさいしょに何で見かけたのか、思い出せないのだけれど、なにか気になってた小説を検索してたらなにかのながれで画面に出てきて気になったとか、たぶんそんな感じだと思う。それでいい感じの本屋さんに行ったら並べてあって、なんとなく購入。なんか、文庫版サイズだけれど、リトルプレスというのだそうで手作り感のある小さい本で、内容としては、歌人でもある著者の人が18歳で東京に出てきて働いてた頃のあれこれを書いたエッセイ。