通勤電車で読む『アナリシス・アイ』。サッカーを戦術で見るやりかた。これはよさげ。

スポーツ中継を見たらなぜどのようにして面白いのかというのを考えたいと思っていて、しかしなかなかうまくいかない。それはそれとして、見かたのコツを教えてくれるような本を読むといいのかなという。それでまぁついでに学生さんに薦められそうなやつと言えば新書ということで、このまえは卓球で『世界卓球解説者が教える卓球観戦の極意』『日本卓球は中国に打ち勝つ』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/08/22/064636)を読んでたし、こんどはサッカーで面白そうなのがあったので読んでみた。サッカーでいうと『4−2−3−1』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20080723/p1)、『砕かれたハリルホジッチ・プラン』『サムライブルーの勝利と敗北』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2019/02/16/105502)を読んで面白かった、ついでに『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20130523/p1)、あるいは新書ではなくて『サッカーを「観る」技術』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2021/12/22/144404)、『フットボール代表プレースタイル図鑑』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2023/05/02/205200)とかもあったね。
でこんどの本は、有名サッカーブログ「サッカーの面白い戦術分析を心がけます」(https://building-up.com/)というのをやっている人が著者で、たしかにわかりやすくてよさげ。サッカーのプレイとは「時間」と「スペース」を扱うものだ、とする。たとえば、パスをもらってから出すまでの時間。これがたっぷりあればゆっくり考えて最善のパスを出せる。ぎゃくに時間がなくて焦っちゃうと慌てて蹴った次のパスがいまいちになったりする。また、相手の近くに行ってプレッシャーをかけることで相手の「時間」を潰すとか、パスを出すコースを限定するとか、逆に相手のマークを引きはがしたらパスをもらえるスペースができるとか。なんかそんなかんじで「時間」「スペース」というのをめぐって争う、しかもそのために選手の配置をきめて敵の配置とのかみ合わせによって有利不利が起こり…等々。そこから「戦術」というものが出てくる…等々。これは説明としてわかりやすかった。例えばこの本をサッカーやってる学生さんやサッカー素人な学生さんと一緒に読んで、そのあと実際のサッカーの試合を(サッカー詳しい学生さんの解説付きで)見てみて、見え方が変わるみたいなことがおこったら面白いのかな。